徒然ふぁいたー

立命館キャンパスアジアとか私事とかいろいろ

飛んでチマチョゴリ

今年の一月の成人の日の少し前、私は大学の授業も空も飛んだ

 

行先は韓国はソウル、生まれて初めての一人旅

 

関西空港第二ターミナルからLCCのほぼ板同然の、後ろの座席の人がシートのポケットに入れたペットボトルの形がダイレクトに背中に伝わる座席で運搬される

 

夜の遅めの便、インチョン国際空港についてから電車で宿へと向かう

 

一泊日本円にして900円ほどのゲストハウス、三人相部屋で、いつも咳をしている若いタイ人女性が三泊四日のルームメイトだった。

 

ところで今回の旅を決めたきっかけは航空券のセールだった。片道1500円(別途空港使用料などが重なり、往復で1万円ちょっと)

 

なんでこんなに安いのか、それは一言でいうと(一言では言えないのは重々承知、日韓関係 2019とかで検索してみてね)日韓関係が悪化したせいだ。

 

大学の授業中に何とはなしにスマホを見ていてあまりの安さに授業中にチケットを予約してしまっていた(身分証としてパスポートを持ち歩いているとこういうことができる)

 

引越しを重ねすぎて、どうせ成人式の招待が自分に来ることはないだろうと思っていたので、連休だということもあり成人の日に旅行することを決めた。

 

初めての一人海外旅行が成人の日なんてなんだか素敵じゃないか!しかも今なら安いし!せっかくだし、かわいいチマチョゴリを着て自撮りでもしよう、おひとりさま成人式だい!

 

予約してから親や友人に韓国に行くことを告げたのだが、かなりの人がこんなに日韓関係が悪い状態で女一人で韓国に行くのはどうなのか、危ないんじゃないのか、と言われた

 

大学のよく話す先生たちが香港デモの最中に香港に旅行した話や、いつもいつも日韓関係について報道されるときは最悪って言われるよね、みたいな話をしているのに慣れてしまったからだろうか、デモが激しくないところに行かなければ危険はないと思った。(知り合いの韓国人には安いから今がチャンスだよ!って言われた絶対類友

 

結論から言うと私が韓国で反日デモに巻き込まれて危険な目にあうことはなかった。

普通にコンビニのおばちゃんの韓国語の発音がうまく聞き取れなくてテンパったり、地下鉄のお菓子の量り売りでちょっとおまけしてもらったり、電車に閉じ込められたときはおじちゃんがドアを開けてくれたりした。

 

私は大学で韓国語を勉強しているから韓国のいいところしか見えていないのかもしれないが、この記事ではあの時自分が思ったことをそのまま書いていこうと思う。

 

毎度のこと長文で申し訳ないが、お付き合いいただけるのなら幸い。

 

 

 

それでは四泊五日韓国旅行スタート

 

一日目は日本からの夜のフライトと移動で終わる。自販機の表示、看板の文字がハングルというだけでテンションが上がりまくる氷点下の寒空のソウル

一年間勉強してきた韓国語が実際に使われているのを目の当たりにする。空港からの移動に手間取り、宿に到着したのは日付が変わるギリギリ前。予約したゲストハウスが映画パラサイトの半地下の家に住む家族が住んでいたような地域にそっくりだった。(日本に戻ってからパラサイトに似てるかもってなった。( ´∀` ))

 

マジモンのシャワートイレ(トイレの個室にシャワーのホースがついている。そう、つまりはトイレの便器がある個室でシャワーを浴びる)の洗礼を受ける

私は三畳風呂トイレ冷蔵庫共同の環境で暮らした経験があるからイケたが、友達や潔癖症の人とは一緒にここには泊まれないと思った。

 

晩ご飯は関西空港で済ませてきたのでそのままさっさと寝る

 

 

 

二日目

昼前に起床、地下鉄の駅の食堂で本場のトッポギを食べる。

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予想以上に辛くて、何度もセルフサービスの水をお替りしていたら店内の客に笑われた。おいしかったよー!って韓国語で言ったら常連さんぽいおじちゃんにかむしゃはんにだー!って言われた。ありがとよおじちゃん。景福宮(朝鮮王朝最初の王宮)f:id:mochiquan:20200513024726j:plainで観光、お目当てのチマチョゴリも着る。自撮り棒をチマチョゴリレンタルの店で借りて慣れない自撮りを頑張る。

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私は成人式に行かずに一体何をやっているのだろうかとおかしくなってきたのと、チマチョゴリの馬子にも衣裳効果もありめちゃくちゃ自撮りが盛れる。そこら中にいた中国人観光客の人に声をかけて写真を撮ってもらったが、なぜ一人で旅行に来たのか、寂しくはないのか、と聞かれて言葉に詰まる。日本語でも答えられないし、これまた一年間勉強してきた中国語でも答えられないことに気付く。

めちゃくちゃ寒かった(京都より寒かった)の早々にチマチョゴリを返却しに行く。

貸衣装屋で働く日本人のお姉さんと韓国人のおばちゃんとおしゃべりする。日本人のお姉さんは、結婚を機に韓国へとわたったそうだが、日本語よりも韓国語での反応が早かったので最初は日本語がうまい韓国人の方かと思っていた。これから何をするつもりなのかと言われ、景福宮の博物館に行きたい、韓国の歴史や文化に興味がある、と話していたらおばちゃんの専門が歴史でおすすめの博物館と日本にまつわる観光地を教えてくれる。韓国で一番大きい国立中央博物館がおすすめだけど大きすぎて一日でも回り切れないけど、中にレストランもあるしたのしめるよって教えてくれたので次の日は博物館に行くことを決めた。(特に計画は立てていなかったのでそこらへんは柔軟にいきあたりばったり)受付のお兄ちゃんもやさしくてカイロ何個もくれる、しかもちゃんと全部温めてある、神

洋服に着替えてからは景福宮の博物館で音声ガイドを借りてゆっくり見学する音声ガイドを借りるときに受付のおばちゃん英語で話しかけたら中国人だと思われたが、日本語プリーズっていったらいきなり日本語で説明されて頭が混乱する。音声ガイドは100円(パスポートを預ける必要がある)、博物館は入場料無料、ゆーっくり見学する。英語と韓国語が展示物の開設のメインの言語になるので、音声ガイドがおすすめ。

夜はスタバで明日の計画を立ててお菓子をコンビニで買ってゲストハウスに帰って寝た。

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宿まで少し歩いたときに撮った写真

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三日目

おばちゃんに教えてもらった国立中央博物館へ行く。最寄りの地下鉄の屋台の量り売りのお菓子屋でよくわかんないけどおいしそうなものを買う。


ショウガの味がした。体によさそう。おばちゃんがちょっと安くしてくれてそれだけでその日はテンションが上がった。あいもかわらず安い女である。

ついに国立中央博物館に足を踏み入れる。外観からイカした博物館であるのだが、館内の展示の仕方も素晴らしかった。例えば日本の展示コーナーでは、休憩用のベンチが畳であったり、中国のコーナーでは中国の伝統的な庭に模した休憩スペースとなっており

 なん窓に見立てた液晶には、時間が移り変わるごとに水墨画で描かれた風景が変化していくというずっと見ていられるものであった。

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昔行ったことがあるイギリスの大英博物館のように広大な館内では、小さい子供たちが床に座って何かのレクチャーを受けていたり、親子連れをたくさん見かけた。なんだか一人でこの感動を受け止めていることが少しつらくなってきた。でも、一人で来てよかったと思っている自分がいる。優しい矛盾を体験した。

 

おなかがすいたので、館内のレストランに行く、表に名前を書いて呼ばれるシステムだったので、ハングルで苗字を書いて待つ。呼ばれてから店内に案内されるのだが、中は白を基調とした明るい内装で、清潔感があった。価格帯は屋台などと比べるとやはり高い、いわゆるちょっといい店だった。頼んだのは本日の定食的なやつ。小鉢にちょっとづついろんな料理が入ってて、メインのプルコギもおいしくて、最高だった。

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隣の席に座った老夫婦が中がよさそうにご飯を食べていて、この空間は幸せに満ち溢れて売ると感じた。食後のコーヒーをゆっくりと飲んで、また展示を見に行く。ぐるっと大体の展示を見終えるころにはもう日が落ちかけていた。ミュージアムショップでいろんなお土産を見た。どれもとても素敵なものばかりで、悩みに悩んで、訓民正音のレプリカと貝殻細工の光沢がきれいな栞を買った。外を出ると、博物館の前にある池にビルと夕焼けが映り込んでいた。またしてもこの景色を誰かに見せたいと思う。


まぁみんな夕焼けを見てくれ。

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写真ではこの良さは伝わらないことがよくわかるので断念。スマホで写真を撮るたびに思うが、写真はせいぜい記憶の断片しか写さない。本当に大事なものは永久保存できはしないのだ。その場で輝いて、その場で消えてしまうこれはいったい何なのだろうか。これが旅情というものなのであろうか。自分はこの場所に確かに存在し、包まれているというこの感覚。

空間と時間の横軸と縦軸が合わさっておりなされるハーモニー

旅っていいなあ

 

またここに戻ってきたとしても同じことを考えることはないのである。せいぜい、あの時同じことを考えることはないって、考えてたのを今考えちゃってるなあというくらい

 

やっぱりタピるより旅る方が私には会っている

 

海外旅行経験はあまりないが、なんとなく太陽の感覚が変わるような気がする。移動距離のこともあるから当然なのかもしれないが、太陽光から受ける感覚そのものが変わったような気がするのだ。夕焼けの色だったり、太陽に当たった時の光の強さ、熱そういったものが変わる気がするのだ。


なんてことをぼんやり考えながら地下鉄に乗ったら目の前に座ってるおばあちゃんに道案内聞かれた


知りませんよ私日本人って言ってるのに私もわかんないわって言われて平行線上の会話


もっと韓国語がんばらなきゃなーってマジで思った


この日は路上の屋台の串刺しのトッポギとホットク、目の前で焼いてくれる冷凍餃子を夕飯に食べた


日本の韓国料理もおいしいけど、こういう本場のを現地で食べるのが1番好き、てか安い


やっぱりご飯が美味しいってのはいいね

食べるのだいすき太らなきゃもっとすき




 

この日がソウル市最後の日、次の日からインチョンに向かうんだけどこれはまた別のお話。


それではみなさんごきげんよう